こんにちは、今回は「在宅勤務用リフォーム補助金【早いもの勝ち?】」について、リフォーム業界に30年以上携わっているリフォーム総研:研究員が解説します。
「在宅勤務用リフォーム補助 最大100万円、国交省検討」一昨日10/4のニュースでと報じていました。
戸建てとマンションともに対象とし、100万円を補助の上限とする内容を検討している。
増築や防音対策、間仕切り設置などを念頭に置く。
新型コロナウイルスの感染拡大防止や働き方の多様化に応える。
21年度予算の概算要求に関連経費を計上した。
省エネルギーや耐震性能の向上に向けたリフォーム費用を補助する「長期優良住宅化リフォーム推進事業」の対象に在宅勤務向け改修を加える。
補助を受けるには審査を受ける必要がある。
今後、在宅勤務向けの審査基準を詰める。
国交省は在宅での労働環境を支援し、感染防止に加え、子育てとの両立など多様な働き方を支援する。
(引用:日本経済新聞2020年10月5日朝刊)
すでに株式市場ではテレワーク関連株への期待が集まり値動きも始まっているそうですし、菅総理大臣・2期目となる 赤羽国土交通省大臣としても良いアピールになりますね。
在宅ワーク・リモートワークを経験した方ならお気付きの通り、在宅ワークでも仕組みが整えば仕事は回るんです。
電子稟議システムなどを導入していれば出社する事無く会社・上長の承認を得て堂々と仕事ができる事が分かってしまったのです(笑)
前置が長くなりましたが、リフォーム費用の1/3を補助(上限100万円)=微妙な数字ですが間仕切りの設置やデスクなども書庫と一体で造作すればリフォーム費用に該当する可能性も有る訳で悪い話じゃないですね。(審査次第でしょうけど)
それでは「在宅勤務用リフォーム」で何が出来るか検証してみましょう。
どの程度の予算を組むのか、締め切りがいつなのか分かりませんが、この手の補助金は速めに動いた方が速く補助金を受け取れる可能性が大です。
一方で、仕事とプライベートが混在して仕事に集中出来ない、そもそもワークスペースが確保出来ないなどの現実的な心配も有るでしょう。
この記事は、そうした事も踏まえて「在宅勤務用リフォーム」のヒントにして下さい。
順番に解説します。
■在宅勤務用リフォーム
■可動間仕切り
リビングなどの一角を仕切ってワーキングスペースを確保しようというアイディアです。
様々なタイプが有りますが、在宅勤務=WEB会議・電話などを考慮すると極力遮音性能が求められると思います。
採光の問題や圧迫感は有りますがWeb会議などでも背面の映りこみの心配の少ない木製の方が良いでしょう。
全面ガラスでも完全に閉め切れば遮音性はある程度確保されるのでお好みで良いと思います。
引用:永大産業
引用:永大産業
★注意点としては天井から吊り下げるタイプが多いので天井を一部解体して重量に耐えられるよう補強をする必要が生じます。
その際にはマンションの場合「アンカーを設置するために」コンクリートに1.5cm程度の孔を開ける事になるので事前に管理組合の承認が必要となります。
(一般論ですので事前確認した方が良いです)
★またマンションの11階以上では内装制限が有る場合、防災設備の増設の可能性が有りますのでリフォーム会社に確認して下さい。
■押し入れ⇒ワーキングスペース
間口が一間の押し入れ(約180cm×90cm)をリフォームしてワーキングスペースにする事も可能です。
押し入れに収納していた物は他の収納スペースに分散する、断捨離する、トランクルームを借りるなどすれば解決出来ると思いますが、思い切って断捨離する事をおすすめします。
引用:LIXIL
■造作デスクの設置
「こんな造作デスクと収納が有ったらいいなぁ」と思わせる作りです。
素晴らしいの一言。私も欲しいです。
造作デスクを検討されているなら一度相談されてはいかがでしょうか。
引用:家具工房ハミルトン
■寝室の一部にデスク+書庫(収納)設置
場所がどうしても取れない場合、究極の選択はリビングダイニングのテーブルでデスクワークするという事になるんでしょうけど、それでは補助金の対象にはなりません。
あとは寝室の一部にライティングデスク+書庫(収納)の設置という選択でしょうか。
このパターンなら補助金の対象にもなり得るのかなと思いますが、まずは相談してからの方が無難かも知れませんね。
引用:DAIKEN
■増築
一戸建て住宅で土地に余裕が有れば増築も大きな候補となるでしょう。
例え奥行が1間(約180cm)の増築でもデスク・書棚などを設置するには充分なスペースが確保出来ます。
確認申請、僅かながら固定資産税の増額も可能性は有りますが、事前にリフォーム会社に確認して下さい。
増築にかかる費用や固定資産税について詳しく解説 引用:リノコ
リノコ
■設備工事
ワーキングスペースを設置するからには、最低限の設備(主に電気工事)が必要になります。
・電源など
コンセントに関しては、パソコン・プリンター・ルーター等は必須でしょうし、スマホの充電なども含めると4口は欲しいところです。
またLANに関してはWi-Fiで充分対応できるなら有線LANポートは不要でしょう。
近年のオフィス設計では有線LANを敷設するのは複合機ぐらいですし。
会社ケータイを貸与されていない方は電話モジュラージャックが必要かもしれません。
・照明
可動間仕切りなどを設置するのであれば、専用回路の照明(スイッチでその部分の点灯ができる)にしたいですね。
・換気
ワーキングスペースを設置する場所に窓が有れば開閉により換気できますが、窓がなければ可動間仕切りなどを開けて換気するか換気扇を設置するか何れかの選択になると思います。
換気不良は健康を損ねることにもなりますので軽視されがちですが重要です。
■補助金その他
総務省「令和2年度 テレワークマネージャー相談事業」
コンサルティングだけのようですが何か良い情報が得られるかも知れませんね。
厚生労働省「働き方改革推進支援助成金(新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコース)<2次募集>」を発表しており、ウィズコロナ時代のテレワークと働き方改革の両面の狙いがあると思われます。(※9/18で締め切りでした)
経済産業省「IT導入補助金」
小規模事業者等のソフトウエア費、導入関連費等が対象ってCADソフトも対象って事ですよね。
これ真面目に調べてみる価値有りそうですね。
筆者は東京在住なので他の自治体の取組は存じ上げませんが、東京都は下記の取組をしています。
その他自治体でも様々な助成金を出しているようですので調べてみる価値は有ると思います。
30年以上リフォーム業界を見てきた中で「在宅勤務用リフォーム補助金【早いもの勝ち?】」に関する記述は以上となります。
間仕切り・収納の設置、増築などのリフォーム会社を1人で探すのは時間的にも労力的にも非常に難しいと思います。
当研究室では、適正価格を判断するために上記の比較サイトなどで複数会社の見積書を取得するのが近道と考えます。
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読者みなさまの安心・快適な在宅勤務用リフォームの成功を願っております。
最後までお読みくださりありがとうございました。宜しければ他の記事にも目を通して頂ければ幸いです。
リフォーム総研:Re Soken