こんにちは、今回は「良いリフォーム会社を選ぶ見積書11のポイント」について、リフォーム業界に30年以上携わっているリフォーム総研:研究員が解説します。
「建設業界(リフォーム)の見積書は業界用語や独特の言い回しが多くて分かりにくい!」と多くの方から聞きます。
この記事には「見積書:11のチェックポイント」が書いてあり、お読み頂ければ良いリフォーム会社を見分ける事ができます。
また、訪問販売や点検商法などの会社は特に、いい加減な見積書が多いと聞きますので下記の11項目をチェックしてみてください。
リフォーム業界に30年以上在籍する当研究員が実体験を基に検証しました。
言葉だけで説明しても分かりにくいので参考見積書を見ながら解説します。
リフォーム費用:見積書11のチェックポイント
①見積り番号
見積書は修正して何度も提出する事の方が普通です。概算見積りならまだしも番号の無い見積書は正式なものと見なされません。
その事だけで、いい加減な見積書と言って差し支えないでしょう。
②発行日
見積り番号も同様で記載の無いものは正式なものと見なされません。発行日が無ければ見積書の有効期限もわかりません。
発行日記載の無い見積書も、いい加減な見積書と言って差し支えないでしょう。
③捺印
社印の捺印が無い見積書も正式なものとみなされません。会社を通さず提出している可能性もあります。
社印・担当社印が揃って正式なものと言えます。
担当者が急いで社印の無い見積書を持参してきても後日捺印版の正式なものを貰うようにしましょう。
④仕様
材質・寸法・メーカー名・品番・色番・入り数などを記載して、お客様・施工者双方に齟齬の無いようにします。
商品の定価も仕様欄・備考欄に示すのが良い見積書です。下記の「一式」の場合に施工数量を示すこともあります。
⑤一式
一式とは「一切合切ひとまとめ」という意味で使われます。一式は極力用いず施工数量と単価を記載する見積書が原則ですが施工数量が少ないリフォームなどで多く使われます。
但し、数量が少なく「一式」にする場合でも施工数量を示すのが良い見積書です。何の根拠も無く一式と書かれても理解しにくく、一式の多い見積書はいい加減な印象を受けます。
⑥人工
人工(にんく)と読みます。1人1日の作業量の費用です。但し、数時間の作業でも1人工と記した見積書を多く見かけます。
上の見積書の場合だと2人で運び出しから元の位置に戻すまで行う作業ですから、2人で1日かかるので合計2人工となります。
ちなみに地方によって1人工の単価は変わります。
⑦発生材場外処分費
リフォーム工事をすると必ずゴミ(産業廃棄物)が発生します。小さな工事に限らず、「ゴミ処分費〇〇〇円」など一式で書かれた見積書をよく見かけますが、本来はゴミの種類により廃棄物の処理単価も違いますので数量×単価が望ましいです。
廃棄物処理法では、廃棄物(工事で発生した廃材・ゴミ)は元請会社が処分(手配)する事になっていますが、少額のリフォーム工事では職人さんが持ち帰って一般ごみに紛れ込ませて捨てる行為も見受けられますが明らかに違法です。
⑧諸経費・施工管理費
諸経費については別の記事で記しましたが、上記見積書では施工管理費+諸経費=約25%になります。
見積書の中でも目立つ金額ですし、ここが高いと全体的な割高感が生じるので、あえて10%程度かそれ以下に抑えて出している会社も有るようです。
その分、他の項目に経費が乗っていたり意味不明の内訳が有ったりしますが。
⑨法定福利費
あまり聞いたことがない費用だと思いますが、法定福利費とは、企業が義務的に負担しなければならない社会保険料の事を言います。具体的には健康保険・厚生年金保険・雇用保険・介護保険が対象となります。
建設業労働者は前記保険の未加入が多い事を危惧し国土交通省が明示を義務化したものです。現在のところ民間工事は義務化されていませんが、そのうち明示が義務化される思われます。
法定福利費の記載が無くてもいい加減な見積りではありませんが、法定福利費は資材などには関係なく労務費にのみ関連する費用です。内訳書に記載した見積書も見かけますが当研究室では内訳書に記載する事なく別の欄に明示している見積書が良いと判断します。
⑩有効期限
見積書の有効期限も重要です。資材価格、労務費も変動が有りますから1年前の見積書の単価では工事ができない可能性もあります。見積書の期限が過ぎたものは再取得しましょう。
⑪支払い条件
支払い条件も重要事項です。50万円以下は一括払い、100万円以上は2回払いなどリフォーム会社によって規定がある場合が有ります。発注者と受注者は対等な立場で契約できますので、支払い条件に不服があればリフォーム会社と協議しましょう。
「見積書は会社の顔」とも言いますし、会社によって特徴や文化が窺えます。
少額リフォームでも過不足なく適切な事が記載されている見積書が良い見積書と言えるでしょう。
複数会社の見積書を取得すると、その違いがわかると思います。
ちなみに建築積算士という公的資格もありますが、リフォーム会社で取得している人は極僅かだと思います。
ご興味がありましたら⇒建築積算士ガイドブック
リフォーム総研:Re Soken