マンションリフォーム:10のチェックポイント


こんにちは、今回は「マンションリフォーム:10のチェックポイント」について、リフォーム業界に30年以上携わっているリフォーム総研:研究員が解説します。

マンションは一戸建て住宅に比べると制約が多い事は以前の記事でも何度か触れましたが、どのような制約が有ってどのような解決策を講じれば良いのか過去の事例なども交えながら検証して行きたいと思います。言い換えると、10の注意事項さえ守ればある程度自由にリフォームできるという事です。
この記事が理想のマンションリフォームのプランに役立てて頂ければと思います。

マンションリフォーム注意点

 

①床の遮音性能

床防音等級 引用:日本複合・防音床材工業会
床の遮音性能を示す値でよく耳にする「L値」が有ります。
L値=遮音性能の呼び方です。マンションなどで上階の人が床に物を落とした時に発生した音のレベルを指します。
L値は比較的軽い物を落とした時に使われるLLと、重い物を落とした時のLHの2種類があります。
L値はL-40、45、50と値が低いほど遮音性能が高いことを意味します。
多くのマンションはL-40、L-45です。
一般論ですが集合住宅ではLL40はLH45、LL45はLH50と言われており、ドスンとした音はLL40=LH45の方が伝わりにくいと言われています。
現在、遮音に関しては置式二重床で担保する事が多く、どうしても天井高さを確保したい場合などを除き、クッション付きフローリング等を用いる事は少なくなりました。

遮音等級引用:防音専門 ピアリビング

②躯体(コンクリート)

 高砂商工 高砂商工株式会社 あと施工アンカー工事 引用:高砂商工株式会社|あと施工アンカー工事

フルリノベーションや大がかりなリフォームの際に、躯体(コンクリートの床壁天井)に穴を開けたくなるケースが有ります。
躯体(コンクリート)は基本的に建物の構造体の一部なので建物自体の強度に関わる場合が有ります。
例えば天井設置型エアコンを設置する際、1.2cmの幅で深さ5cm程度を4箇所程度、躯体に穴を開ける必要が生じます。吊り下げる機器の重さにも関係しますが、コンクリート内の鉄筋に傷や破断が無ければ問題ない場合が多いです。鉄筋が破断すると強度が下がるので、電磁波による鉄筋探査を行った上で開口する事が望ましいです。
また、窓の近くにエアコン用の穴など(凡そ直径10cm以内)など開けたい場合、その躯体は構造上問題のない雑壁の場合もありますから要確認です。いずれにせよ、躯体(コンクリート)に何らかの手を加える可能性が生じた際は管理組合(または管理会社)に事前相談された方が良いでしょう。
逆に言えば、コンクリートビス・コンクリート釘を打つ程度なら問題ないとも言えます。

③パイプスペース

マンション共用部と専有部 引用:公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター

給排水・ガス・電気などのパイプスペース(囲われている部分)は専有部内に有ったとしても共用設備(共用部)です。数センチでも室内を広げたい気持ちは理解出来ますが不可です。
そもそも専有部面積に含まれていないので致し方ないです。

④排水勾配・排気効率

キッチンや浴室の位置を替えたいという希望は多く筆者も幾度となく相談をうけました。
キッチンにしろ浴室にしろ移設するためには給排水と換気設備が成立しないかぎり実現不可能です。
排水勾配はキッチン・浴室は最低でも1/50以上確保するべきとされいます。大雑把に言えば2m移動した際は4cmの勾配が必要になると云うことです。
仮に二重床だとしても4cmの勾配が取れるか疑問です。部分的にしろ床を上げる可能性が高いでしょう。
同様に排気配管も勾配が必要と云うだけでなく、梁などの障害が多い事で断念するケースは非常に多いです。

⑤サッシ(窓ガラス)

窓ガラスの内側に防犯フィルムは日射調整フィルムを張る事は何ら問題有りませんが、サッシの外側にシャッターを設置する、サッシを交換するなどの工事は共用部ですから原則不可です。
仮に窓ガラスが割れたとしても原状回復が原則で種類の違うガラスと交換する事は出来ません。(特に網入りガラスは防火設備と云う扱いです)
建物全体を見た場合、ガラスの色などがバラバラに見えたら恰好良くないとも言えますね。
一方で騒音が気になる、外気が伝わって寒い・暑いなどでお困りでしたらインナーサッシがおすすめです。筆者の寝室もインナーサッシを設置しましたが効果抜群です。

⑥バルコニー

バルコニーは区分所有者(居住者)の専用使用権が認められた共用部分で、避難上有効なバルコニーとされてる場合が殆どです。(=避難経路)
避難の妨げになる物置など固定物の設置は管理組合規則などに定められているだけでなく消防法上でも違法となります。
逆梁のアウトフレーム構造で奥行が2mぐらいある広いバルコニーの場合、何か置きたくなる気持ちは理解出来ますが原則禁止です。(管理組合に確認された方が良いと思います)
簡単に持ち運び可能な物干し竿や鉢植え程度ならその限りではないと思われますが、「バルコニーは有事の際の避難経路」だと云う事は念頭に置いて下さい。
また、バルコニーの雨水排水口も共用部です。上層階の鉢植えの落葉やゴミなどが目皿を通って流れて途中で詰まって下層階のバルコニーが水浸しなると云うケースも良く有る事です。
詰まったゴミを取り除く事が出来ずに工事が必要となり数十万円も管理費会計から払うのは誰しも避けたい事だと思います。
落葉やゴミは水で流すのではなく掃除をして取り除く事が必要です。
筆者も雨水管詰まり解消工事をした事が有りますが、クリーニング店のワイヤーハンガーの破片等も詰まっており「これでは詰まるな」と感じた事が有ります。

⑦玄関ドア(外側)

「玄関ドアの外側がキズだらけになって見苦しいから塗り替えたい」「自分は別なところに住んで賃貸するからキレイにして貸したい」お気持ちは充分理解できますが、この場合も原則不可です。(古いマンションなどの場合は管理組合に確認された方が良いと思います)
但し、玄関ドアの内側は塗装したり装飾シートを張るなど自由です。
※古いマンションの場合、鍵が1つしかなくて防犯上心配な場合は、内側に取付けるリモコン式施錠タイプも有ります。

⑧2次側配管

2j次側配管 引用:アズビル金門(株)
給排水管も共用部と専有部に区分が有ります。給水管で有れば多くの場合検針メーターから手前は専有部、排水管はパイプスペースに入る手前までが専有部として考える事が多いです。
給水はポンプで増圧されるので高低差は無視しても良いのですが、排水管の共用部と専有部の境目の高さが床の高さに大いに関連するので古いマンションなどでは注意が必要かも知れません。

⑨電力容量

電気設備の基礎知識 引用:日本ハウズィング(株)
電気の場合、注意が必要なのが契約アンペアの変更は住む地域によっても違いますし建物全体の引込線の太さにも関係すると云う事です。築古マンションあるあるなのが、建物全体の引込線が細すぎてアンペアアップが不可または限界が有ると云う事です。
また、電力自由化に関しても中規模以上のマンションは高圧一括受電ですから、電力自由化を可能にするためには総会で3/4以上の決議と「入居者全戸」の同意が必要(検針器とブレーカーの交換が必須)となるのでハードルが高すぎて断念するケースが多いです。

⑩防災設備

スプリンクラー引用:ヤマトプロテック(株)

近年のマンションはタワーマンション含めて防災設備(自動火災感知器システム)、11階以上の階にはスプリンクラー設備、100㎡以上の住戸には防火戸、消火器、消火栓など様々なものがありますが、専有部に関して言えば住宅用火災警報器や緊急地震速報システムと連動したインターホン、11階以上の階にはスプリンクラー設備が必要となる場合が有ります。(建物によって異なりますので確認が必要です)
そうした場合、そのマンションの防災設備を熟知していない会社がリフォーム工事をしてマンション全体の防災機能が停止・低下する可能性はが無いと限りません。
マンション管理組合(管理会社)は、防災設備工事に関して指定業者=新築時から携わった会社に依頼(B工事会社)する事を定めている場合が殆どです。逆に言うと、防災設備会社間は良い意味で、新築時に他社が行ったマンションの防災設備工事は請負わないと云う暗黙のルールが有ると思われます。(万が一が有っては会社の信用に関わりますから)

間仕切りを移動する、取り払う、増やすなどの工事が発生する場合は事前に管理組合に相談した方が良いでしょう。また、往々にしてB工事(管理組合指定工事店)は安価ではないのは致し方のないところでしょうか。

 


30年以上リフォーム業界を見てきた中で「マンションリフォーム:10のチェックポイント」に関する記述は以上となります。
10項目のチェックポイントを考慮しつつリフォーム会社を1人で探すのは時間的にも労力的にも非常に難しいと思います。

当研究室では、適正価格を判断するために上記の比較サイトなどで複数会社の見積書を取得するのが近道と考えます。

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最後までお読みくださりありがとうございました。宜しければ他の記事にも目を通して頂ければ幸いです。

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